岡山市の歴史を縦横無尽に調査する。神社に古墳、城跡。ここまで、岡山の歴史を見聞してきたが、これもほんの一部に過ぎないと考えると、恐ろしいものだ。時間がいくらあっても足りないというものだ。
しかし、この実地調査も終幕が近づいてきている。大いに踊り明かそうではないか!つまり、ネオメロドラマティックということだ!
幸か不幸か
岡山調査!
社奴の責務を
完遂する時!
岡山藩の美城 岡山城
備中高松城から退却し、次の攻略地点へと向かう。
岡山藩の誇り「岡山城」へ。
岡山城 – 川面に映える漆黒の城 (okayama-kanko.net)
(公式HP)
戦国時代から宇喜多氏、小早川氏、池田氏などが居城とし、城下町が栄えていった。岡山の中心を担った城郭に迫り、当時の風俗に思いを巡らせる。
備中高松城からは30分ほどの距離。岡山駅近くの大都会に岡山城は保存されている。現代の生活様式から、当時の風景を想像することは、なかなかの困難だ。しかし、城跡がある地域は、そこに人々が集まるため、現代の繁栄につながっている場所が多い。
岡山城付近に着陣し、さっそく周辺から探索を開始する。さすがは、天下に鳴り響く岡山城。その堀から見事なものである。これは攻めるのにも苦労するだろう。当時の人々が、この高い石垣をせっせと登る姿を想像する。命のやり取りの時代。恐ろしいものだ。
正門に近づくが、今は改修工事のために、入場は厳禁されているそうだ。強引に入り込もうとして、打ち首になっても仕方がないので、今回は近くから眺めるだけにしておこう。誠に残念だ。だが、また岡山を訪れる口実が作れる、と考えると問題ないかもしれない。
どんどん城との距離を詰めていく。城と木々のコラボレーションが美しい。夏だからこその姿なのだろうか。四季折々の城郭。日本の良いところかもしれない。一年を通して、たくさんの情景に触れることができる。特に有名な城が現存する地域に対して、羨ましい気持ちが募ってしまう。
なかなかに美しい角度を見つけたので、一枚残してみた。自分好みの景色を探し、記録に残していく、というのも旅路の楽しみかもしれない。それぞれの楽しみを自分で見つけていく。私の場合は、歴史をテーマにした土地だろうか。特に、城郭や神社仏閣に惹かれてしまう。
漆黒の城:岡山城。何と惹かれるお姿だろうか。川を利用した天然の要害。美しさだけでなく、防衛にも最大の労力を投入したのだろうか。これは昼間の写真だが、月明かりに照らされる岡山城はどのような様子なのだろうか。非常に気になってしまう。夜の岡山と漆黒の城。うむ、悪くない、悪くないぞ。
漆黒の城の魅惑!
闇夜に溶け込む姿!
おお、汝の権威、
岡山に鳴り響く!
城の後方に楽園を 後楽園
岡山城の周辺を見物した後は、城の後方に整備されている庭園へと向かう。
それが、「後楽園(こうらくえん)」である。
日本三名園の一つに数えられるという噂を耳にし、その実態を見聞していきたいと思う。しかし、庭園の名前から、すでに美しさを匂わせてくる庭園は初めてだ。城の後方に楽園を作ったから後楽園なのか?という勝手な妄想をしてみる。
(公式HP)
入場料を支払い、炎天下の中、庭園見物を開始する。初手から汗が止まらず、途中途中、木陰に避難し、うまい具合に散策していく。しかし、庭園の美しさは一級品だ。
庭園の構成や作者の思惑、文化思想の影響などの知識があれば、庭園散策がさらに充実すると思うが、残念ながらその知識がない。今後の課題として、これは持ち帰って自主勉強することにしよう。学びの機会をくれた楽園に感謝しなければ。
庭園といえば、水を利用した風景。建物の丸形窓から月を見て、庭園を楽しんだよう。城と同じように、庭園も春夏秋冬の姿があり、それぞれが訪問者を楽しませてくれる。当時の文化に触れ、歴史に思いを馳せ、思索にふける。うむ、なんとも風流なことだ。羨ましい。
橋掛けのアトラクションも庭園には欠かせない。多くの人が橋の上で記念撮影を行っていた。現代のテーマパークにも劣らない興奮が、ここで生まれている。静けさの中にも、時折、興奮を織り交ぜていく後楽園の策略。なるほど、これは軍師だと思った。
水面に浮かぶ小島。ここに船を浮かべ、月明かりの下で三味線をベンベンやれば、なんとも楽しそうではないだろうか。庭園を散策するだけで、無限に妄想が浮かんでくる。これも庭園観光の醍醐味なのだろうか。いや、ここまでの奇想天外は私だけだろう。月明かりの小島に自己陶酔し、どこまでも自分の世界に沈んでいく。後楽園という名前にも納得できる。諸君、もっと酔いたまえ!
庭園のあちこちに、客人をもてなす建物がある。宴会の場所や舞踏を披露する会場になっていたそうだ。武士でありながら、文化にも精通するというハイスペック岡山藩主と藩士。武芸の稽古に、学問の探求。好奇心旺盛ということは、人間をさらなる高みに導くということか。大いにやってやりますよ、諸君。
人工的な小山に登り、後楽園の全景を観察する。整えられた芝生と水の芸術が庭園を輝かせている。昼間の庭園も見事だが、城と同様に月夜の後楽園も見てみたいものだ。大都会の中にひっそりと存在するオアシス。まさに楽園。
庭園を満喫することができたが、時間が私を追い立てる。「楽園追放」の時間が来てしまったのだ。涙をぬぐいながら、後楽園を後にする。しかし、庭園の穏やかさには驚かされる。まさに、魂が清められるという感じだ。神社のような神聖さを庭園も持っているのだろうか。庭園という一つの文化をとっても、その歴史はかなり深い。これはまだまだ調査が必要なようだ。
これで岡山調査団の予定は終了した。本部長に詳細なレポートを書き送り、社奴(しゃど)としての任務は遂げられる。怒涛の岡山調査だったが、取りこぼした歴史が多すぎるため、次回の調査が待ち遠しい。しかし、その機会はいつになるのか。
岡山の 深き歴史を 垣間見る
~岡山調査団 完~